クワガタといえば、子どもたちの人気をカブトムシと二分する昆虫ですね。
国内の人気種オオクワガタから世界の大型種や美麗種まで非常に多くの種類が存在し、その形態の多彩さはカブトムシを凌ぎます。
そこで今回は、「世界のクワガタの大きさランキング」を作ってみました!!
約1500種発見されているクワガタの内のTOP10を見ていきましょう。
世界のクワガタ大きさランキング
第1位:ギラファノコギリクワガタ
- 最大体長:♂121mm
クワガタ大きさランキング第1位は、「ギラファノコギリクワガタ」。ムシキングで一躍有名になった、世界最大(世界最長)のクワガタです。
大型個体では大顎の長さが体長の半分近くを占めます。長い直線的な大顎には多くの内歯(ギザギザのこと)が生えており、真ん中より少し前に位置する特に大きい一対の内歯が特徴的ですね。まさにノコギリ。
実は左右の大顎の長さは微妙に異なっており、左側の大顎の方がほんの少しだけ長くなっています。そのため大顎を閉じたときに内歯が上手く噛み合います。
種小名「ギラファ」は、キリンの意味があります。長い大顎をキリンの首に見立てたわけですね。
ホームセンターのペットコーナーなどでも比較的よく見かけます。
第1位:マンディブラリスフタマタクワガタ
- 最大体長:♂121mm
クワガタ大きさランキング同率第1位は、「マンディブラリスフタマタクワガタ」です。フタマタクワガタの最大種であり、ギラファノコギリクワガタと並び世界最大(世界最長)のクワガタとして知られています。
大顎は非常に長く、緩やかな弧を描き、中央少し前に一対の印象的な大きな内歯が生えています。直線的なギラファと異なり、横から見ると、身体は上向き・大顎は下向きに沿った、立体的で曲線的なフォルムをしていることがわかります。同じサイズの個体同士ならそのボリューム感はギラファを上回る印象。
とはいえ、現地で採集される野外個体は比較的小型のものが多いと言われています。飼育者の数にもよりますが、飼育下で作出された個体のサイズもギラファよりは一回り小さめ。平均的な大きさではギラファに一歩譲るかな、といった印象です。
本種を含むフタマタクワガタは非常に凶暴な性格であり、喧嘩っ早いことで知られています。このマンディブラリスも例外ではなく、興奮すると触角を素早く動かし、巨大な身体からは想像できない俊敏な動きをします。触れる際には注意が必要ですね。
種小名「マンディブラリス」は、「大顎」を意味しています。
第3位:ヒラタクワガタ
https://www.tsukiyono.co.jp/stag2/2010/05/28/パラワンオオヒラタの飼育(羽化)/
- 最大体長:♂113.7mm
クワガタ大きさランキング第3位は、「ヒラタクワガタ」です。日本にも亜種が分布している、世界最大級のクワガタです。
ヒラタクワガタはアジアに広く分布するクワガタ。日本産のものは80mmほどとそこまで大型にはなりませんが、東南アジア産のものは巨大であり、更に生息地ごとに形態の違いが多彩なことから、マニアの間で飼育が盛んに行われています。特にパラワン島に生息する亜種が最大となり、「パラワンオオヒラタクワガタ」と呼ばれ非常に人気です。(2020年8月5日に飼育個体113.7mm記録。←New!!)
気性が荒く力も強いことから、喧嘩においてしばしば「世界最強のクワガタ」とも評されます。
ヒラタクワガタやオオクワガタなどの「ドルクス属」のクワガタは、警戒心が強いのも特徴。木の割れ目などの隙間に身を隠せるように、非常に扁平な体型をしています。
第4位:コンフキウスノコギリクワガタ
- 最大体長:♂113mm
クワガタ大きさランキング第4位は、「コンフキウスノコギリクワガタ」。ノコギリクワガタの仲間では、ギラファに次ぐ大型種です。
大顎は直線的で、内歯の数はギラファより少なめ。造形はギラファよりシンプルな印象です。
第5位:ブルマイスターツヤクワガタ
https://www.e-mushi.com/f/4282.html
- 最大体長:♂109.9mm
クワガタ大きさランキング第5位は、「ブルマイスターツヤクワガタ」です。
黄色みがかったクリーム色の前翅が美しい、大型のクワガタです。大顎は、大型個体では丸く弧を描き、長く発達します。
ツヤクワガタには本種のように黄色と黒のツートンカラーの種類と、真っ黒い種類がいます。本種のようなツートン系の種類は、生きているときは前翅が透明感のある美しいクリーム色なのですが、死んで標本にするとくすんだ黄褐色に変わってしまいます。
また飼育下で作出されたメスの大きさでは、本種がクワガタ界最大。オスメス共に、全体的な身体の大きさ・サイズ感は世界最大級のクワガタの1つといえます。
第6位:エラフスホソアカクワガタ
http://imgp-a.dena.ne.jp/exp1/cb/1/5145457/2/156448834_1.jpg
- 最大体長:♂109.0mm
クワガタ大きさランキング第6位は、「エラフスホソアカクワガタ」。銅色に輝く美しいクワガタです。
エラフスホソアカクワガタは、身体の半分以上を占める非常に長い大顎が特徴。その長さはギラファやマンディブラリスをも上回り、クワガタ界トップクラス。細長く全体的に緩やかな弧を描いており、色の美しさも相まって、何とも豪華で芸術的な大顎です。大顎の先端部分には細かなギザギザの内歯が生えており、大顎基部近くには一対の長い内歯が生えています。
立派な大顎の本種ですが、喧嘩を好まない大人しい性格。大顎は戦いのためというより、メスにアピールするために進化したものと思われます。クジャクの羽根のような役割ですね。
第6位:リノケロスフタマタクワガタ
http://www.asahi-net.or.jp/~qf7n-adc/worldbeetles/Hrino%28S%293.html
- 最大体長:♂109.0mm
クワガタ大きさランキング同率6位は、「リノケロスフタマタクワガタ」。
とても凶暴な性格のクワガタです。興奮すると触覚を高速で動かし、威嚇します。不用意に触ろうとすると挟もうとしてくることもしばしば。
頭部にある「頭楯(とうじゅん)」と呼ばれる突起が著しく発達しており、マンディブラリスと見分けられます。
第8位:ダールマンツヤクワガタ
https://www.kuwakabuplanet.com/products/detail.php?product_id=8135
- 最大体長:♂107.0mm
クワガタ大きさランキング第8位は、「ダールマンツヤクワガタ」です。こちらは真っ黒なタイプのツヤクワガタ。その名の通り、前翅には漆塗りさながらのツヤがみられます。
特に大型になるのは、「インターメディアツヤクワガタ」と呼ばれる亜種。ツヤクワガタの中でも大顎が長く発達します。
第9位:ヨーロッパミヤマクワガタ
- 最大体長:♂104.8mm
クワガタ大きさランキング第9位は、「ヨーロッパミヤマクワガタ」です。
ヨーロッパミヤマクワガタは世界最大のミヤマクワガタであり、ヨーロッパ最大のクワガタ。非常に幅広く発達した力強い頭部が魅力的です。大顎も太く長く強力であり、細かいギザギザの内歯と中央の一対の大きな内歯の、大胆な対比が魅力です。特に「ユダイクスミヤマクワガタ」と呼ばれる亜種が大型となります。
体色は、黒っぽい個体から赤みを帯びた個体まで変異があります。
第10位:アルケスツヤクワガタ
- 最大体長:♂104.3mm
クワガタ大きさランキング第10位は「アルケスツヤクワガタ」。ひと昔前の昆虫図鑑には、本種が世界最大のクワガタとして記載されていました。
真っ黒なタイプのツヤクワガタとしては、僅差でダールマンに次ぐ大きさになっていますが、パッと見ではむしろ本種の方が大きな印象を受けます。ダールマンは比較的スリムな体型で大顎も細く平たいですが、アルケスは比較的幅広の体型に太めの大顎が特徴。
ツヤクワガタの仲間は、同一種内でもサイズによって大顎の形状に変異が見られるのが特徴。本種もその内であり、極めて大型の個体では大顎基部の内歯が完全に消失します。
全体的なボリューム感でいえば、確かに最大のクワガタの1つかもしれません。
まとめ
世界最大のクワガタは「ギラファノコギリクワガタ」「マンディブラリスフタマタクワガタ」でした。クワガタ大きさランキングは、カブトムシよりも遥かに接戦だったので、飼育記録の更新次第で、順位が変動する可能性が大いにありますね。
クワガタの魅力は、デカさだけではありません。宝石みたいに美しい種類、本当にクワガタなのかと疑うような変わった形の種類など、そのバリエーションはカブトムシを凌ぎます。
魅惑の昆虫の世界はいかがでしょう?
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